• コラム

2025.05.17

注文住宅のお風呂で後悔しないために|快適さ・デザイン・機能性をすべて叶える設計術

はじめに|お風呂は「癒しの空間」として進化している

注文住宅で後悔しやすい設備のひとつに「お風呂(浴室)」があります。
「間取りに余裕がなくて狭くなってしまった」「掃除しにくくてカビだらけ」「オプションをケチって満足できない空間になった」など、実際に暮らしてから不満が出やすい場所です。

しかし逆に言えば、お風呂を上手に設計できれば、日々の疲れを癒してくれる最高のリラクゼーション空間にすることができます。この記事では、注文住宅におけるお風呂の種類、設計のポイント、人気のオプション、実際の後悔事例などを網羅的に解説します。

注文住宅のお風呂の基本|3つの種類を知ろう

注文住宅では、お風呂の設計も自由に選べますが、大きく分けて以下の3種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、ライフスタイルや重視するポイントに合わせて選びましょう。

① ユニットバス(システムバス)

最も一般的なタイプで、あらかじめ工場で成形された浴槽・壁・床・天井を現場で組み立てる方式。防水性に優れ、清掃も楽で、費用も抑えられることから、8〜9割の注文住宅で採用されています。

  • 【価格帯】:60万~150万円(サイズ・グレードによる)
  • 【主なメリット】:工期が短い/カビが発生しにくい/保温性が高い
  • 【デメリット】:デザイン自由度が低い/サイズに制限あり

② ハーフユニットバス

床や浴槽はユニット構造で防水性を確保しつつ、壁・天井は自由に仕上げるタイプ。ホテルライクなデザインを目指したい方に人気です。

  • 【価格帯】:100万~200万円
  • 【メリット】:デザインの自由度が高い/湿気対策もしやすい
  • 【デメリット】:やや費用が上がる/施工に手間がかかる

③ 在来浴室(造作風呂)

すべての部分を現場で施工する完全オーダーメイド型。タイル貼りや天然素材を使ったり、坪庭を見ながら入浴できる“非日常”のバスルームも可能。

  • 【価格帯】:150万~400万円
  • 【メリット】:デザイン完全自由/露天風呂風や坪庭など演出可
  • 【デメリット】:防水・断熱に注意が必要/メンテナンス性が落ちる

間取り設計で失敗しないためのチェックポイント

注文住宅ではお風呂の場所・広さ・動線も自由に決められますが、設計時に以下の点を押さえておかないと、後々不便を感じやすくなります。

● 脱衣所と洗面所の関係性

最近は「脱衣所と洗面所を分ける」設計が注目されています。来客が洗面を使う際にプライバシーが確保でき、家族の入浴タイミングともバッティングしにくくなります。間取りに余裕があれば「2WAY導線(キッチン⇔洗面⇔脱衣)」もおすすめ。

● お風呂の広さは“1616(1坪)”が基本

一般的なユニットバスのサイズは1616(1坪)=1600×1600mmです。ファミリーならこの広さが最低限。足を伸ばしたい人は「1717」や「1620」も検討しましょう。広さを優先するあまり掃除や光熱費がかかる点は要注意。

● 風通しと採光をどう確保するか?

窓を設ける場合、目隠しやプライバシー配慮は必須ですが、「浴室のジメジメ感が軽減された」「昼間の明るさが快適」といった満足度の声も多いです。縦すべり出し窓+ブラインド、曇りガラス+換気扇の組み合わせなど、設計段階から計画しましょう。

人気のお風呂オプションランキングTOP5(満足度が高い順)

注文住宅ならではの「ちょっと贅沢な機能」も、実際に住んでみて「つけてよかった!」と感じるものが多く存在します。以下は人気&満足度の高いオプションです。

1位:断熱浴槽+断熱フタ

お湯が冷めにくく、家族の入浴時間がバラバラでも追い焚き不要で経済的。光熱費が気になる人にはマストな設備。

2位:浴室乾燥機(暖房・涼風機能付き)

冬の寒さ対策、梅雨時の洗濯物乾燥に大活躍。ヒートショック予防にも効果あり。

3位:お掃除ラク機能(カビシャット床・汚れにくい排水溝など)

掃除が面倒になりやすいバスルームこそ、メンテナンス性の高い素材・形状を選ぶのが満足度の秘訣。

4位:テレビ・Bluetoothスピーカー

長風呂派に人気。ワイヤレスで音楽や映画を楽しめるバスタイムが叶います。

5位:自動湯はり・追い焚き機能

ボタンひとつで温度・量を自動管理。家事中の“うっかり忘れ”も防げてストレスフリー。

後悔しやすいお風呂の失敗例とは?

いざ住んでから「ここ失敗だった…」と感じやすいのがバスルームです。以下は実際の声を元にしたよくある後悔例です。

  • 床の色が白すぎて髪の毛が目立つ(グレー系がおすすめ)
  • 収納をケチったら、シャンプーボトルが床に直置きに
  • 浴室乾燥を省いたが、結局室内干しに困って後付けした
  • ガラス扉がオシャレだけど掃除が面倒で水垢が目立つ
  • 家族の入浴時間が重なって追い焚きが必須になった

これらは間取り・素材・機能の選び方次第でほぼ防げる失敗です。SNS映えに引っ張られず、「自分たちの暮らし方」に合わせて選ぶことが大切です。

お風呂にかかる費用の目安は?

注文住宅でお風呂にかける費用は以下が一般的な目安です(2025年時点)。

タイプ費用相場(工事費込み)
ユニットバス(標準)約80万〜120万円
ユニットバス(高機能)約130万〜180万円
ハーフユニット約150万〜220万円
在来浴室約200万〜400万円

※メーカー(TOTO、LIXIL、Panasonicなど)によって価格や性能が異なるため、ショールーム見学は必須です。

まとめ|注文住宅のお風呂は「暮らしの質」を大きく左右する空間

毎日使うお風呂こそ、使いやすさと快適性、そして掃除のしやすさまで考え抜く必要があります。
注文住宅では自由度が高い反面、設備・素材・機能の選択肢が広すぎて迷いがちですが、「今の不満」と「理想の暮らし」から逆算して決めるのが成功のポイントです。

決して高級仕様にする必要はありません。自分と家族にとってベストなサイズ、清潔感、導線、そして癒しの空間を、無理のない範囲で実現することが「後悔しないお風呂選び」の秘訣です。