- コラム
2025.05.17
注文住宅で屋上をつくるメリットと注意点|屋上庭園・バーベキュー・趣味空間の魅力
はじめに|屋上がある家に憧れたことはありませんか?
注文住宅で「屋上をつけたい」と考える人が増えています。都心部や敷地が狭いエリアでは、庭の代わりとして屋上を活用したり、バーベキューや家庭菜園、アウトドアリビングとして使用したりするライフスタイルが注目されています。
しかし、屋上付き住宅にはメリットがある一方で、防水・コスト・メンテナンスなど、しっかりと理解しておかないと後悔する点もあるのが事実です。
本記事では、屋上付き注文住宅を検討している方に向けて、設計・費用・メリット・デメリット・施工上の注意点までを網羅的に解説します。あなたの理想の屋上ライフを、現実の成功プランへと導くためのガイドです。
屋上のある注文住宅|どんな活用法がある?
まずは、屋上があるとどんな使い方ができるのかをイメージしてみましょう。注文住宅では、間取りの自由度が高いため、屋上の使い道もさまざまです。
● 屋上庭園・ガーデニングスペース
地面に庭が取れない土地でも、屋上なら緑のある空間をつくることが可能です。プランターや人工芝を使えば簡単に屋上菜園ができ、花や野菜を育てながら自然に触れる生活を楽しめます。子どもと一緒に家庭菜園をしたり、四季の花を植えたりと、日々の癒し空間にぴったりです。
● バーベキュースペース・アウトドアリビング
近隣への配慮は必要ですが、屋上にテーブルとイスを置いてアウトドアダイニングにすれば、自宅で本格的なバーベキューが楽しめます。屋根付きのパーゴラやシェードを設置すれば、真夏でも快適。星を見ながらの晩酌も叶います。
● 子どもの遊び場やペットの運動スペース
屋上は、フェンスや柵をしっかり設置することで、安心して子どもを遊ばせたり、ペットを放して運動させたりできる“プライベートな遊び場”にもなります。プール遊びやテントを張ってのキャンプごっこなど、遊びの幅が一気に広がります。
● 趣味・仕事の隠れ家スペース
読書やヨガ、天体観測など、外の空気を感じながら趣味の時間を過ごせる場所として活用する人も増えています。テレワークの合間に気分転換できるセカンドリビングとしても優秀です。
注文住宅で屋上をつくるメリット
屋上を設けることには、間取りや敷地面積以上の価値があります。代表的なメリットは以下の通りです。
1. 限られた敷地でも「もう一つの庭」がつくれる
特に都市部では、庭を確保できないことも珍しくありません。その分、屋上を“第2の庭”として活用すれば、狭小地でも開放感ある暮らしが可能になります。
2. プライバシー性の高い屋外空間が手に入る
1階の庭では周囲の視線が気になるという方でも、屋上なら完全にプライベートな空間が確保できます。防音効果を高めれば、音楽や会話を気にせず楽しめる点も魅力です。
3. 採光・通風・断熱効果が高まることも
屋上の設計によっては、建物全体の断熱性や通風性を改善することも可能です。屋上に太陽光パネルや緑化スペースを設けることで、室温の上昇を抑え、冷暖房コストの削減につながるケースもあります。
屋上付き注文住宅のデメリット・注意点
一方で、屋上には無視できないデメリットや、施工上の注意点もあります。これらを理解せずに導入してしまうと、暮らしの中で大きな負担となる場合があります。
1. 防水・排水対策が必須
屋上で最もトラブルが多いのが、防水施工の不備による雨漏りです。FRP防水やウレタン防水などの工法を採用し、定期的な点検・再施工(目安10〜15年)も必要です。また、排水口が詰まると水たまりができやすいため、ゴミや落ち葉対策も重要です。
2. 建築コストが上がる
一般的に、屋上を設けると構造強度を高める必要があり、基礎や梁の補強、階段設置、手すり・防水施工などが加わるため、+150万〜300万円程度のコスト増が見込まれます。特に3階建て住宅に屋上を追加する場合、構造計算や法律上の制約にも注意が必要です。
3. 階段の配置と導線設計に制約がある
屋上へのアクセスには、固定階段または外階段が必要です。リビングと離れた場所に配置してしまうと使わなくなってしまうケースが多く、「屋上が物置化した」という失敗も多いです。使いやすさを考え、動線と日常動作を設計段階から丁寧に計画しましょう。
屋上付き住宅にかかる費用の目安
注文住宅に屋上を設ける場合の費用は、以下が一般的な目安です(2025年現在の相場):
項目 | 費用目安 |
---|---|
防水工事(FRPまたはウレタン) | 40万~80万円 |
手すり・フェンス工事 | 20万~60万円 |
屋上床の仕上げ材(人工芝・タイル等) | 20万~100万円 |
屋上へ上がる階段設置 | 30万~80万円 |
設計・構造補強費用 | 50万~150万円 |
※総額で150万〜400万円程度が相場。設計内容や屋根の形状により大きく変動します。
屋上のある家で後悔しないための3つのポイント
- 「何のために屋上が必要なのか」を明確にする
→ 曖昧な理由で作ると、使わなくなって無駄になります。バーベキュー?菜園?洗濯?目的を明確に。 - 導線とアクセスのしやすさを最優先に設計
→ 利用頻度は“どれだけ気軽に上がれるか”で決まります。リビング階段に隣接するなどの工夫が◎。 - 防水・メンテナンス計画を最初から考える
→ 見えないトラブルを防ぐには、計画的な施工と10〜15年ごとの再防水を前提に。
まとめ|注文住宅に屋上は“暮らしを楽しむ余白”を生む
屋上は、「単なる屋根」から「もうひとつの暮らしの場」へと進化しています。
確かに防水やコストの課題はあるものの、それを補って余りある魅力と可能性が屋上には詰まっています。
限られた敷地の中でも、空へと広がる自由な空間をつくることで、日常がより豊かに、開放的になります。
あなたの注文住宅に屋上を加えることで、“家にいる時間を最高の時間”に変えてみませんか?