- コラム
2025.07.16
注文住宅はおしゃれにできる!デザインの工夫から実例まで徹底解説
「せっかくの注文住宅、やっぱりおしゃれに仕上げたい!」
これは多くの施主が抱く共通の願いです。とはいえ、「おしゃれ=デザイン重視」で突き進むと、暮らしやすさや予算とのバランスを崩してしまうケースもあります。
この記事では、おしゃれな注文住宅を実現するための間取り・外観・内装・素材・照明・収納・家具選びなど、あらゆる角度から成功のポイントを解説します。
注文住宅で「おしゃれ」を実現する7つのキーポイント
おしゃれな注文住宅をつくりたいと思っても、「何から考えればいいの?」「センスに自信がない…」と不安になる方も多いはず。しかし、おしゃれな家づくりはセンスではなく“設計の工夫”で実現できるものです。
実は、プロの設計士やインテリアコーディネーターが意識している「共通ルール」がいくつか存在します。それらを知ることで、自分たちの理想を具体的に描けるようになり、家づくりの打ち合わせもスムーズに進みます。
ここでは、おしゃれな注文住宅を実現するために押さえておきたい7つの重要なポイントを、間取り・素材・照明・収納などの観点から丁寧に解説します。これを知っているかどうかで、完成後の満足度が大きく変わります。あなたの理想の住まいに一歩近づくために、ぜひ参考にしてみてください。
1. デザインコンセプトを決める
最初にぶれない「デザイン軸」を決めることで、空間全体の統一感が生まれます。
▼ナチュラル系:木の温もり、白を基調とした柔らかな空間
ナチュラル系は、木材や白を基調とした自然で優しい雰囲気が特徴のスタイルです。無垢フローリングや珪藻土の壁など、素材の風合いを活かすことで、人工的ではない温もりある住まいになります。
- 使われる素材:オーク・パイン材、漆喰、布カーテンなど自然素材中心
- 配色の特徴:白・ベージュ・淡いグレー・グリーンなど落ち着いた中間色
- 取り入れ方:梁を見せる天井、観葉植物のある空間づくり、丸みのある北欧家具
家全体が明るく、家族でくつろげる「癒しの空間」を演出でき、特に子育て世代や自然派志向の方に人気です。
▼インダストリアル系|無骨でクールな都市型スタイル
インダストリアル系は、コンクリート調の壁やアイアン素材など、工場や倉庫のような無骨さを活かしたデザインが特徴です。男性的な印象で、スタイリッシュかつ個性的な住まいを好む方に選ばれています。
- 使われる素材:モルタル、黒皮鉄、古材、レンガ、スチールなど
- 配色の特徴:ブラック、チャコールグレー、ブラウンなどダークトーン
- 取り入れ方:アイアン階段、むき出しの配管、ヴィンテージ家具、エジソン電球の照明
ラフでありながら設計美を感じさせる空間に仕上がり、照明や壁紙、家具の選び方次第でカフェのような雰囲気も演出できます。
▼北欧モダン系|シンプルと機能性が融合した洗練空間
北欧モダン系は、「無駄のないデザイン」「心地よい暮らしやすさ」を追求するスタイルです。日本の住宅にもなじみやすく、シンプルながらも細部までデザイン性を感じられる空間づくりが特徴です。
- 使われる素材:木材(オーク・バーチなど)、布張りの家具、フェルト素材
- 配色の特徴:白・ライトグレー・ペールブルー・くすみカラーなどやさしいトーン
- 取り入れ方:間接照明の活用、ミニマルな家具、ファブリックパネルやアートの壁飾り
暮らしの機能性を保ちつつも、柔らかく上品な印象を与えるため、万人受けしやすく、飽きのこない空間づくりが可能です。
▼カリフォルニアスタイル|海と風を感じる開放感ある暮らし
カリフォルニアスタイルは、アメリカ西海岸のサーフカルチャーや自然を感じさせる、ラフで開放的なデザインが特徴です。アウトドア好きや趣味を楽しむライフスタイル志向の方にぴったりです。
- 使われる素材:白い塗り壁、ウッドサイディング、西海岸風のタイルやレザー
- 配色の特徴:白・ネイビー・ターコイズ・サンドベージュなどの海系カラー
- 取り入れ方:ウッドデッキ、広い窓、勾配天井、天井ファン、観葉植物やアートの飾り
内外がつながるような開放感を大切にし、風通しの良い間取りやデッキスペースが魅力。家族や仲間と過ごすリラックス空間に最適です。
▼和モダン|伝統と現代性が調和した上質な空間美
和モダンは、日本の伝統的なデザイン要素を現代の感覚で再構築したスタイルです。畳や障子、格子などを取り入れながら、洗練されたミニマルな空間を演出します。
- 使われる素材:無垢材(杉・ヒノキ)、和紙、タイル、左官壁
- 配色の特徴:生成色、黒、グレー、深緑など落ち着いた和色
- 取り入れ方:リビングに畳コーナー、間接照明と障子の組み合わせ、縁側風のウッドデッキ
静けさや余白を大切にした空間は、心を落ち着かせ、四季を楽しむ暮らしにも向いています。年齢問わず幅広い層に支持されているスタイルです。
このように、好みのテイストを具体化することで、設計士やインテリアコーディネーターとの意思疎通がスムーズになります。
2. 外観は「シンプル+アクセント」で魅せる
外観は注文住宅のおしゃれ度を左右する大切な要素です。以下の工夫で、スタイリッシュな印象をつくれます。
- 片流れ屋根:モダンで洗練されたシルエット
- 正方形・長方形のシンプルな箱型:装飾よりもラインで勝負
- アクセントウォール(異素材の壁):木やタイル、金属を部分的に使用
- 色のトーンを抑える:白・黒・グレー・ネイビーなど落ち着いた配色が◎
「引き算の美学」を意識し、シンプルな中に個性を加えると、経年劣化にも強く長く愛せる外観になります。
3. 間取りで「空間の抜け感」をつくる
おしゃれな空間は、広さではなく「余白の取り方」で決まります。
- 吹き抜けリビング:縦の開放感で実際以上に広く見える
- スキップフロア:床の高さをずらして立体感を演出
- リビング階段:空間を視覚的につなげ、抜け感を強調
- 回遊動線:移動がスムーズで「広がり」を感じる間取り
見せる空間と隠す空間を分け、生活感を抑える工夫が重要です。
4. 内装は「素材×配色」で雰囲気を演出
おしゃれな注文住宅の内装には、「質感」と「配色」のセンスが問われます。
人気の素材例
- 無垢材のフローリング:経年美が楽しめる
- 左官壁(漆喰や珪藻土):呼吸する壁で空間に個性
- アイアン階段や照明:空間の引き締め役に
配色の基本
- ベースカラー(70%):白・グレージュなど明るく落ち着いた色
- メインカラー(25%):空間の印象を決める色(ネイビー、グリーン等)
- アクセントカラー(5%):差し色としてビビッドカラーを
「色数を絞る」ことで統一感が生まれ、空間全体が洗練されます。
5. 照明は「間接光」を活かして上質な雰囲気に
注文住宅の魅力を引き立てるのが、照明の演出です。
- ダウンライト:天井をスッキリ見せる
- 間接照明:壁や天井を照らし、陰影をつくる
- ペンダントライト:ダイニングやキッチンに個性を添える
- 足元照明:階段や廊下に安全+雰囲気をプラス
「明るさを均等に」ではなく、「明るさにグラデーションをつける」ことで、おしゃれで落ち着いた空間が実現します。
6. 生活感を隠す収納の設計
いくらデザインが良くても、生活感が丸出しだと「おしゃれな家」にはなりません。
- パントリー(食品庫)
- リビング収納(AV機器・書類・おもちゃ)
- ウォークインクローゼット(家族ごとに分ける)
- 玄関土間収納(ベビーカーやアウトドア用品)
「モノに場所を与える」ことで、スッキリと美しい住空間が保てます。
7. 家具・カーテン・家電まで統一感をもつ
注文住宅は「建てて終わり」ではありません。内装と調和する家具選びも大切です。
- 無印良品・ACTUS・カリモク60など、テイストに合う家具ブランドを選ぶ
- 造作家具(造り付け)でサイズも色も空間にフィット
- 冷蔵庫やエアコンもデザイン家電で統一感を演出
家全体のコーディネートを意識することで、注文住宅の完成度は格段に高まります。
おしゃれな注文住宅の実例から学ぶ|人気のデザイン5選
1. 木の温もりを活かした「北欧ナチュラルハウス」

白壁+木目+観葉植物で、明るく清潔感ある空間に。
2. 黒×木で魅せる「インダストリアルスタイル」

外壁は黒ガルバリウム、内装はコンクリ×オーク材でクールに仕上げる。
3. 開放感重視の「スキップフロア住宅」

階層のずれを活かし、遊び心と視線の広がりを両立。
4. 和×モダンの「ジャパニーズコンテンポラリー」

無垢フローリング×障子×珪藻土壁で、落ち着いた上質空間を演出。
5. 吹き抜け×アイアン階段の「スタイリッシュモダン」

昼は採光、夜は間接照明で空間に陰影をつける演出が映える。
おしゃれな注文住宅を成功させるための3つの注意点
1.「見た目重視」だけで動かない
→ 暮らしやすさ、メンテナンス性も考慮を。
おしゃれな注文住宅にしたいという想いは当然ですが、外観や内装のデザインだけを優先してしまうと、住み始めてからの使い勝手や維持管理で後悔するケースが非常に多いです。
たとえば、ガラス張りの大開口は見た目は抜群におしゃれですが、真夏は日差しが強すぎて暑くなり、遮熱対策や冷房費用が想定以上にかかることも。また、無垢材のフローリングは風合いが魅力ですが、水濡れや傷に弱く、ペットや小さな子どもがいる家庭では日々のケアが欠かせません。
「美しさと実用性のバランス」を意識し、“住んだあとのこと”を想像しながら選択することが、満足度の高い家づくりの秘訣です。
2.インスタやPinterestに頼りすぎない
→ 実際の生活感とギャップがあることも。
SNSには魅力的な施工事例が多数投稿されていますが、あくまで「映える写真」としての美しさであることが多く、実際の生活では再現が難しいケースも少なくありません。
例えば、「キッチンに吊るされたおしゃれな調理器具」「棚に整然と並ぶ生活雑貨」などの写真は美しく見えますが、毎日使うアイテムをいちいち戻すのは現実的に手間がかかります。掃除のしやすさや、来客時以外の生活感も想定しておくべきです。
また、SNSの投稿は住宅の全体像ではなく、一瞬の切り取りである点にも注意が必要です。見た目に惑わされず、自分たちの生活スタイルに本当に合うかどうかを基準に判断しましょう。
3.住宅展示場だけで判断しない
→ モデルハウスは「理想を超えた非現実」。等身大の実例も確認を。
住宅展示場のモデルハウスは、あくまでも各社の「最高仕様」で建てられたショーケースです。実際の契約プランではオプション扱いになるような高級設備や特注仕様がふんだんに盛り込まれていることがほとんどです。
たとえば、天井が高く開放感のあるリビングや、大理石調のフローリング、巨大なアイランドキッチンなどは、オプションを重ねた結果であり、標準仕様とは大きく異なります。そのままのイメージで進めてしまうと、あとで見積もりが大幅に跳ね上がり、予算オーバーになることも。
そのため、可能であれば**実際の施主宅見学会や、等身大モデルハウス(リアルサイズモデル)**を見学し、自分たちの建てる規模やグレードに近い住まいを体感することをおすすめします。間取りの使い勝手や収納の工夫なども、現実的な視点で判断できます。
まとめ|「おしゃれ」は足し算より引き算でつくる
注文住宅における「おしゃれ」とは、豪華に飾ることではありません。「暮らしにフィットしつつ、美しく魅せる工夫」が鍵です。
そのためには…
- テイストを明確にする
- 統一感を意識する
- 素材や照明、収納まで丁寧に選ぶ
こうしたひとつひとつの選択が、結果として**あなただけの“おしゃれな暮らし”**を実現する家をつくっていきます。
理想の注文住宅を、「見た目」も「暮らし」も大切にして、あなたらしく育てていきましょう。