- コラム
2016.07.18
地震と建物《1》耐震・制振・免震の違い
私たちが住まう日本は「地震大国」と呼ばれるほど地震が多い国です。
東日本大震災や熊本地震など、多くの負傷者を出した大型地震がいつ来てもおかしくありません。
今回から3回に分けて「建物と地震」というテーマでお話ししていきたいと思います。
今回は「耐震」・「制震」・「免震」について考えていきましょう。
地震に備えるための工法・考え方として代表的な3つの構造がありますが、
よく聞かれるのが「どれが一番いいですか?」というストレートなご質問です。
しかし3つの工法は、「地震に強い家」「耐震設計」「災害の軽減」等の観点から
それぞれ特徴が異なります。
工法の特徴を比較検討し、メリット・デメリットを捉えて採用することが大切です。
工法のメリット・デメリット
①耐震構造
基礎や柱、梁を筋交いや金物で止めて建物の剛性を高め、地震力を受けても倒壊しない様にします。
ちなみに耐震等級とは、この耐震の強さを数値で表したものです。
②制震構造
建物にかかる地震の振動エネルギーをダンパー等により吸収し、建物の揺れを約50%軽減します。
構造体の損傷が軽減されるため繰り返し起こる地震に有効で、揺れに対する恐怖感も軽減できます。
③免震構造
基礎部分にベアリングなどを入れて、基礎と建物を完全に切り離して揺れを建物に伝えない様にします。
但し、地盤の悪い土地は設置不可能であったり、建物周辺のスペースの制約があり、コスト面では多大な負担があります。
基本的なことではありますが、この考え方が現在の地震対策のベースになります。
これからマイホーム計画をスタートされる方も多いと思います。
まずは、基本からしっかり抑えましょう!
次回は、「アリアンスの建物はどうなっているのか?」についてお話させて頂きます。