• コラム

2024.11.26

注文住宅の坪単価を徹底分析:全国ランキングと平均、推移や地域別の計算方法を解説

注文住宅を検討している方にとって、「坪単価」という言葉は非常に重要な指標です。しかし、具体的に坪単価とは何を意味し、どのように計算されるのかを正確に理解している方は少ないかもしれません。住宅を建てる際、多くの人が気にするのが「総額」です。予算を立てるために坪単価を参考にすることが一般的ですが、坪単価だけでは全ての費用がわかるわけではありません。坪単価は、建物本体の工事費を示す指標であり、実際の総額には外構工事や諸費用、設計費なども含まれるため、総額は坪単価から予測するだけでは把握しきれないことがあります。本記事では、坪単価の基本から、どのように計算されるか、そして注文住宅を建てる際に注意すべきポイントまで詳しく解説します。この記事を読むことで、注文住宅における坪単価の理解が深まり、予算計画や家づくりの判断に役立つでしょう。

坪単価とは何か?

坪単価とは、建物の延床面積1坪あたりにかかる費用を指します。1坪は約3.3平方メートルに相当し、日本における建物の価格を見積もる際に一般的に使用される単位です。坪単価は、建物の大きさや使用する素材、設備、施工業者によって大きく変動します。

坪単価の計算方法

坪単価は、総工事費用を建物の延床面積(坪数)で割ることで計算されます。たとえば、総工事費用が3000万円で、延床面積が50坪の場合、坪単価は以下のように計算されます。

坪単価 総工事費用 ÷ 延床面積(坪数)

坪単価はあくまで「目安」であり、実際の総工事費には基礎工事や外構工事、諸費用なども含まれます。そのため、坪単価のみで家の総費用を正確に把握するのは難しいですが、ある程度のコスト感をつかむためには非常に役立つ指標です。

計算の手順

  1. 総工事費用を確認する
    これは、注文住宅の建築にかかるすべての費用の総額です。通常、建物の建築費だけでなく、設計費、材料費、施工費、管理費、その他関連費用が含まれます。
  2. 延床面積(坪数)を把握する
    延床面積とは、建物の全体の床面積を指します。1坪は約3.3平方メートルです。建物の大きさがわからない場合、設計図面や契約書で確認します。

具体例

たとえば、総工事費用が4,000万円で、延床面積が60坪の場合、坪単価は次のように計算されます。

坪単価 = 4,000万円 ÷ 60坪 = 66.7万円/坪
この場合、1坪あたり約66.7万円の費用がかかることになります。

これが注文住宅の坪単価の計算方法の基本です。坪単価を理解することで、予算に合わせた家づくりの計画が立てやすくなります。

注文住宅の総額を算出する方法

では、注文住宅の総額をどうやって算出すればよいのでしょうか?総額を正確に見積もるためには、以下のステップを踏むことが重要です。

・坪単価を基に建物本体のコストを計算する

まず、坪単価に基づいて建物本体のコストを計算します。前述の通り、坪単価は総工事費を延床面積で割って求めます。例えば、坪単価が60万円で延床面積が50坪の場合、建物本体のコストは以下の通りです。

60万円 × 50 3000万円

・外構工事や諸費用を加算する

次に、外構工事費や諸費用を加算します。一般的に、外構工事に300万円、諸費用に200万円が必要と仮定すると、最終的な総額は次のようになります。

建物本体のコスト 3000万円 + 外構工事費 300万円 + 諸費用 200万円 = 3500万円

・オプションや仕様変更のコストを考慮する

さらに、設備や仕様にこだわる場合は、オプション費用も加算する必要があります。例えば、高性能なキッチンや浴室設備を追加する場合、その費用が50万円かかるとします。

最終的な総額 3500万円 + オプション費用 50万円 3550万円

坪単価だけでは判断できないポイント

坪単価は住宅の価格を比較するのに役立ちますが、坪単価だけで家づくりの全てを判断するのは危険です。実際の総額には坪単価に含まれない費用が多く存在するため、総額を把握する際には全ての要素を考慮する必要があります。

・細かい費用の確認

注文住宅では、細かい費用が発生します。設計変更や仕様変更による追加費用、建築確認申請などの手数料も考慮することが大切です。

・土地の購入費用

土地の購入費用が必要な場合、その費用も総額に含める必要があります。土地の価格は地域によって異なりますが、土地の選び方によっては総額が大きく変動します。

・長期的なランニングコスト

建物の建築費だけでなく、建てた後のランニングコスト(光熱費、維持費、修繕費など)も考慮することが重要です。エコ住宅や断熱性能の高い住宅を選ぶことで、長期的なコストを抑えることができる場合もあります。

坪単価に影響を与える要素

坪単価はさまざまな要素によって変動します。ここでは、坪単価に影響を与える主な要素を解説します。

住宅の規模と形状、間取り

住宅の規模が大きくなるほど、坪単価が変動する傾向があります。大きな家ほど、1坪あたりの設備費用や材料費が分散されるため、坪単価が下がることがあります。また、間取りの複雑さも坪単価に影響を与えます。複雑な間取りは、施工に手間がかかり、その分費用が増える可能性があります。

使用する素材や設備の質

高品質な素材や最新の設備を使用する場合、坪単価は当然ながら高くなります。例えば、無垢材のフローリングや高性能な断熱材、最新のエネルギー効率の高い設備を採用すれば、コストが上がります。逆に、標準的な素材や設備を使用すれば、坪単価を抑えることができます。

施工業者の選定

施工業者の選び方によっても坪単価は大きく変わります。大手ハウスメーカーの場合、広告宣伝費や営業費用が価格に上乗せされることが多く、坪単価が高めになります。一方で、地元の工務店や中小の建設会社を選ぶことで、コストを抑えつつも高品質な施工を実現できる場合もあります。

地域ごとの価格差

建築費用は地域によって大きく異なります。都市部や人気の高いエリアでは土地の価格が高くなるだけでなく、建築資材や労働力の費用も上がるため、坪単価も高くなる傾向にあります。逆に、地方では比較的坪単価が安くなることが多いです。

外構工事や付帯工事

坪単価には、外構工事(庭や駐車場の工事など)や付帯工事(エアコン、照明など)が含まれないことが多いです。これらの費用を別途計算する必要があり、最終的な総コストに大きく影響を与えます。

注文住宅の坪単価の目安

注文住宅の坪単価は、一般的に50万円から80万円程度が相場と言われていますが、これはあくまで目安です。以下に、住宅のグレード別に坪単価の目安を紹介します。

ローコスト住宅

坪単価:50万円~60万円
ローコスト住宅は、標準的な素材と設備を使用し、シンプルな設計でコストを抑えた住宅です。無駄を省いた設計にすることで、比較的安価に家を建てることができます。

中価格帯住宅

坪単価:60万円~80万円
標準的な住宅で、ある程度の設備や素材にこだわりたい方に向いています。設備の選択肢も広く、デザインや間取りの自由度も比較的高いのが特徴です。

高価格帯住宅

坪単価:80万円~100万円以上
高品質な素材や最新の設備、独自のデザインにこだわりたい方に向けた住宅です。特注の家具や最新のスマートホーム技術を導入する場合、この価格帯になります。

坪単価を抑えるためのポイント

注文住宅を建てる際に、坪単価を抑えるための具体的な方法もあります。ここでは、いくつかのポイントを紹介します。

設備や素材の選定に注意する

注文住宅では、自由に設備や素材を選べる反面、選び方によってはコストが大きく変動します。標準的な素材を選ぶことで、坪単価を抑えることができます。また、見た目は似ていてもコストが抑えられる代替素材を使用するのも効果的です。

シンプルな設計にする

建物の形状が複雑になると、工事が難しくなり、その分坪単価が上がります。シンプルで無駄のない設計にすることで、施工費用を抑えることができます。

地元の工務店を活用する

大手ハウスメーカーに依頼すると、坪単価が高くなることがあります。地元の工務店を活用することで、広告費や営業費用を抑えつつ、コストパフォーマンスの高い家づくりが可能です。

坪単価に関する注意点

坪単価を参考にする際、いくつかの注意点があります。坪単価だけで家の全体像を把握するのは難しいため、他の要素も考慮する必要があります。

外構工事や諸費用を忘れずに

坪単価には通常、建物本体の工事費が含まれますが、外構工事や諸費用は含まれない場合があります。これらの費用も含めた総額を把握しておくことが大切です。外構工事(庭や駐車場など)や設計料、諸費用が含まれる場合、総工事費用が変わるため、計算結果に影響を与えることがあります。

工事内容による違い

同じ坪単価でも、どの範囲までの工事が含まれているかは業者によって異なります。何が坪単価に含まれているのか、詳細を確認することが重要です。

建物の仕様によって変動する

坪単価は標準仕様を基に計算されることが多いですが、オプションを追加することで簡単に価格が上昇します。自分の希望する仕様に合わせて、どのくらい価格が変動するか事前に確認しておきましょう。高品質な素材や設備を使用した場合、坪単価は高くなります。逆に、標準仕様やコストを抑えた素材を使用することで、坪単価を下げることができます。

全国の坪単価の平均

日本国内で注文住宅を建てる際の坪単価の平均は、一般的に60万円〜80万円とされています。この幅は、選ぶ施工業者や使用する素材、住宅のデザインによって変動します。例えば、大手ハウスメーカーによる建築は坪単価が高めになる一方で、地元の工務店を利用することでコストを抑えることが可能です。

地域ごとの坪単価の違い

地域によっても坪単価は大きく異なります。例えば、都市部や土地の価格が高い地域では建築コストも高くなる傾向にあり、坪単価も高くなります。一方で、地方では土地や建築資材のコストが低いため、坪単価も低く抑えられることが多いです。

都市部の坪単価

東京や大阪などの大都市圏では、土地の価格が高いことに加え、建築費用も高騰しています。このため、都市部での坪単価は80万円〜100万円になることが多いです。特にこだわりのあるデザインや高級素材を使う場合、さらに高くなることもあります。

地方の坪単価

地方では、土地の価格が比較的安価であり、建築資材や人件費も都市部よりも抑えられます。そのため、地方での坪単価は50万円〜70万円程度になることが一般的です。地方に家を建てる場合は、土地代が抑えられる分、建物にこだわる余裕が生まれることもあります。

注文住宅の坪単価ランキング【地域別に見る坪単価の違い】

注文住宅を建てる際に大切な要素の一つが「坪単価」です。全国各地で坪単価は大きく異なり、地域ごとのランキングを知ることで予算計画に役立てることができます。この記事では、注文住宅の坪単価ランキングを紹介し、それぞれの地域での特徴や注意点を詳しく解説します。

坪単価の全国ランキング

坪単価は、地域や土地の価格、使用する素材、建物の規模によって異なります。以下に、全国の注文住宅の坪単価ランキングの一部を紹介します。

1位 東京都

東京都の坪単価は全国でもトップクラスです。特に23区内、特に中心地(港区、渋谷区、千代田区など)は、坪単価が80万円〜100万円を超えることもあります。土地の価格が非常に高いため、住宅の総額も大きくなる傾向にあります。一方、東京郊外では坪単価が多少抑えられます。例えば、練馬区や杉並区、世田谷区などのエリアでは、坪単価は60万円〜80万円程度となります。交通の便が良いエリアでも、中心部から離れることでコストを抑えることができます。

2位 大阪府

大阪府も都市圏のため、坪単価は高めです。特に大阪市内や人気のエリア(北区、中央区など)では、坪単価が70万円〜90万円程度に上ります。ただし、郊外に行くと価格は下がり、都市部ほどの高額にはならないことが多いです。

3位以下は下記のとおりです。

公示地価 都道府県ランキング 2024年[令和6年]

順位 都道府県 基準地価平均 坪単価平均 変動率
1位 東京都 122万5300円/m2 405万0579円/坪 +4.81% 上昇
2位 大阪府 34万3228円/m2 113万4639円/坪 +2.71% 上昇
3位 京都府 30万2067円/m2 99万8571円/坪 +2.56% 上昇
4位 神奈川県 28万2816円/m2 93万4929円/坪 +3.41% 上昇
5位 愛知県 23万4619円/m2 77万5602円/坪 +3.23% 上昇
6位 福岡県 22万5568円/m2 74万5681円/坪 +5.68% 上昇
7位 埼玉県 17万4805円/m2 57万7868円/坪 +2.09% 上昇
8位 兵庫県 17万3528円/m2 57万3647円/坪 +1.93% 上昇
9位 宮城県 16万7205円/m2 55万2746円/坪 +4.72% 上昇
10位 広島県 16万1956円/m2 53万5394円/坪 +1.37% 上昇
11位 沖縄県 14万9983円/m2 49万5814円/坪 +5.46% 上昇
12位 千葉県 14万7806円/m2 48万8618円/坪 +4.69% 上昇
13位 熊本県 10万2484円/m2 33万8792円/坪 +2.82% 上昇
14位 静岡県 8万8824円/m2 29万3633円/坪 -0.06% 下落
15位 北海道 8万8301円/m2 29万1904円/坪 +4.61% 上昇
16位 奈良県 8万2825円/m2 27万3803円/坪 -0.11% 下落
17位 石川県 8万1943円/m2 27万0886円/坪 +1.38% 上昇
18位 長崎県 7万5347円/m2 24万9084円/坪 +0.95% 上昇
19位 愛媛県 7万1678円/m2 23万6953円/坪 -0.64% 下落
20位 鹿児島県 7万1002円/m2 23万4719円/坪 -0.66% 下落
21位 岡山県 6万7734円/m2 22万3916円/坪 +1.10% 上昇
22位 滋賀県 6万5577円/m2 21万6784円/坪 +0.53% 上昇
23位 大分県 6万3169円/m2 20万8825円/坪 +1.87% 上昇
24位 高知県 6万1828円/m2 20万4390円/坪 -0.34% 下落
25位 徳島県 5万9514円/m2 19万6743円/坪 -0.40% 下落
26位 香川県 5万7972円/m2 19万1643円/坪 -0.19% 下落
27位 岐阜県 5万5838円/m2 18万4589円/坪 -0.13% 下落
28位 和歌山県 5万5640円/m2 18万3933円/坪 -0.61% 下落
29位 福井県 5万2759円/m2 17万4410円/坪 -0.13% 下落
30位 富山県 4万9842円/m2 16万4767円/坪 +0.03% 上昇
31位 長野県 4万5611円/m2 15万0780円/坪 +0.29% 上昇
32位 群馬県 4万5145円/m2 14万9242円/坪 -0.44% 下落
33位 三重県 4万5065円/m2 14万8975円/坪 +0.29% 上昇
34位 新潟県 4万4617円/m2 14万7496円/坪 -0.51% 下落
35位 佐賀県 4万4001円/m2 14万5458円/坪 +2.22% 上昇
36位 岩手県 4万3653円/m2 14万4310円/坪 +0.43% 上昇
37位 栃木県 4万2539円/m2 14万0626円/坪 -0.32% 下落
38位 山梨県 4万2508円/m2 14万0525円/坪 -0.35% 下落
39位 福島県 4万2449円/m2 14万0328円/坪 +0.77% 上昇
40位 山口県 4万2172円/m2 13万9412円/坪 +0.44% 上昇
41位 宮崎県 4万0104円/m2 13万2575円/坪 -0.05% 下落
42位 島根県 3万9662円/m2 13万1115円/坪 -0.40% 下落
43位 茨城県 3万7296円/m2 12万3293円/坪 +0.30% 上昇
44位 山形県 3万3958円/m2 11万2257円/坪 +0.25% 上昇
45位 鳥取県 3万3791円/m2 11万1706円/坪 -0.49% 下落
46位 青森県 3万0137円/m2 9万9629円/坪 +0.07% 上昇
47位 秋田県 2万5890円/m2 8万5586円/坪 +0.33% 上昇

引用元:https://tochidai.info/public-price_prefecture-ranking/

静岡県の坪単価の全国ランキングにおける位置

静岡市の坪単価

静岡市は、静岡県内で最も人口が多く、経済の中心地でもあります。静岡市内での坪単価は、比較的高めで、55万円〜70万円程度となっています。特に、利便性の高いエリアや人気の住宅地では、坪単価が70万円を超えることもあります。

浜松市の坪単価

静岡県西部に位置する浜松市は、県内でも大きな都市の一つであり、経済活動が盛んなエリアです。坪単価は50万円〜65万円程度で、静岡市と同様に比較的高いエリアも存在しますが、全体的には安定した価格帯です。

富士市・富士宮市の坪単価

静岡県東部に位置する富士市と富士宮市は、静岡県内でも比較的坪単価が低めのエリアです。平均的な坪単価は45万円〜60万円程度となっており、静岡市や浜松市と比べると、コストを抑えた家づくりが可能です。

注文住宅の坪単価の推移【価格変動の要因と今後の見通】

注文住宅を建てる際に重要な指標である坪単価は、年々変動しています。建築資材の価格上昇や人件費の高騰、そして経済状況など、さまざまな要因が坪単価に影響を与えています。

坪単価の推移

注文住宅の坪単価は、過去数年で変動が見られます。特に最近では、建築資材のコストが上昇しており、それに伴い坪単価も上昇しています。2020年代に入ってから、注文住宅の坪単価は急激に上昇しています。特に、コロナ禍により建材の供給が不安定になり、物流コストが増加したことが価格上昇の要因となっています。2022年以降、全国的に坪単価は60万円〜80万円に達し、都心部ではさらに高騰する傾向にあります。

坪単価の変動要因

坪単価の推移には、さまざまな要因が影響しています。ここでは、注文住宅の坪単価が変動する主な要素について見ていきましょう。

・建築資材の価格

建築資材の価格は、坪単価の変動に直接的に影響を与えます。鉄鋼や木材、コンクリートなどの主要な建材の価格が上昇することで、注文住宅の坪単価も上がります。特に、輸入材の価格上昇や原油価格の変動が大きな影響を与えています。

・人件費の高騰

建築業界では、労働力不足が深刻化しており、その結果、人件費が高騰しています。熟練した職人の確保が難しくなる一方で、需要は増加しており、これが坪単価の上昇につながっています。

・経済状況

経済の景気動向も坪単価に影響を与えます。景気が良い時期には、建築需要が増加し、価格が上がる傾向があります。逆に、景気が悪化すると住宅需要が減少し、坪単価も落ち着くことがあります。

地域別の坪単価の推移

坪単価は地域ごとに大きく異なり、都市部と地方ではその推移に差があります。ここでは、地域ごとの坪単価の動向を見ていきます。

・都市部の坪単価

東京や大阪などの大都市では、坪単価が急激に上昇しています。特に、土地の価格が高騰している地域では、坪単価も上昇傾向が続いています。都心部の坪単価は80万円〜100万円に達することもあり、今後も高止まりすることが予想されます。

・地方の坪単価

一方で、地方では比較的坪単価の上昇は緩やかです。地方では土地の価格が安定しており、建築コストの増加は都市部ほど顕著ではありません。地方では、50万円〜60万円程度の坪単価が維持されていますが、建材コストの上昇により、今後の動向に注意が必要です。

今後の坪単価の見通し

注文住宅の坪単価は今後も変動が続くと予想されます。ここでは、今後の見通しについて解説します。

・建材コストの影響

今後も建材コストが高止まりする場合、坪単価の上昇は避けられないでしょう。特に、国際的な供給チェーンの不安定さや原材料の価格変動が続く限り、建築費用は上がる可能性があります。

・労働力不足の深刻化

建築業界では、引き続き人手不足が続くと予想されています。職人不足が解消されない限り、人件費の上昇が続き、それが坪単価の押し上げ要因となるでしょう。

・政府の住宅政策

政府の住宅政策や補助金制度の変更も、坪単価に影響を与える可能性があります。エコ住宅の推進や再生可能エネルギー設備の導入が進む中、これらのコストが坪単価に反映されることも考えられます。

注文住宅の坪単価は、過去数年間で上昇傾向にあり、今後もこのトレンドが続くと予想されます。特に、建材の価格上昇や人件費の高騰が坪単価に大きな影響を与えています。今後の住宅計画を立てる際には、最新の坪単価の推移を把握し、コストを管理するための対策を講じることが重要です。

まとめ

注文住宅における坪単価は、建物の規模、素材、設備、施工業者、地域など、さまざまな要素によって決まります。坪単価をしっかりと理解し、コストを抑えながらも理想の家を実現するためには、事前に十分なリサーチと計画が必要です。坪単価は、注文住宅のコストを把握するための重要な指標ですが、単純に坪単価だけで家づくりを進めるのは危険です。総工事費用や延床面積の他、使用する素材や施工業者、地域による違いも考慮しながら、全体の予算を計画することが重要です。この記事を参考に、注文住宅の坪単価について正しい知識を持ち、納得のいく家づくりを進めてください。